1 商品先物取引の危険性

 商品先物取引とは、将来の一定期日に一定の商品を売り又は買うことを約束して、その価格を現時点で決める取引です。
 この将来の約束期日以前であればいつでも、反対売買をして(買っていたものを転売し、又は売っていたものを買い戻す。)、取引開始時点と反対売買時点の商品価格の差額を清算して取引を終了することができ、それにより差益または差損が発生します。

 ちなみに、取引が成立した売買契約のうち未決済のものを「建玉(たてぎょく)」といい(売り契約のものは「売建玉」、買い契約のものは「買建玉」といいます)、決済しなければならない期限の月を「限月(げんげつ)」といいます(一部の商品については、限月を設けない取引(限日取引といいます)もあります。)。
 決済の方法は、買建玉については転売、売建玉については買い戻しですが、これらを「仕切り(しきり)」とか「手仕舞い(てじまい)」といいます。

 商品先物取引は、商社等が価格変動リスクをヘッジするための取引として利用され、市場が発展してきたものですが、商品現物の受け渡しをせずに差金決済が行われることから、商品現物を必要としない一般の人でも取引を行うことが可能です。そのため、先物取引業者は一般の人に対して投資目的での取引を勧誘しています。

 しかし、商品先物取引は、一般の人にとっては極めて危険な投機的取引です。

 商品先物取引は、取引金額の5%から10%程度の証拠金で取引を行うことができるため、取引金額は証拠金の額に比べて高額となります。
 また、取引の数量の単位と値決めの対象となる数量の単位が異なっており、前者が後者よりも遙かに多いため、わずかな値動きでも多額の売買損益につながります。
商品先物取引は、極めて投機性の高い取引なのです。

 そのうえ、商品先物取引の仕組みは複雑で、取引手法や損益計算方法を一般の人が理解することは容易ではありません。商品先物市場の価格は激しく変動しますが、価格変動要因は複雑多岐であり、一般の人が価格変動を的確に予測することは、ほとんど無理だといえます。

 商品先物取引は、一般の人が参加した場合(特に未経験者が参加した場合)、短期間で予想外に多額な損害を被る可能性の高い危険な取引です。

 商品先物取引の危険性については、過去、多数の判例でもいわれています。


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